2020.03.03

那覇市議団が新型コロナウイルス感染症対策に関する申し入れ

那覇市長 城間 幹子 様

                   
2020年3月2日
                      日本共産党那覇市議員団
                       団長 古堅茂治
                   湧川朝渉 我如古一郎 前田千尋    
                                                  宮 里 昇  上原 安夫  西中間久枝

新型コロナウイルス感染症対策に関する緊急申し入れ      

新型コロナウイルスに関連する新型肺炎感染症患者が県内でも、本市でも発生し、感染先がわからない市中感染も全国各地で拡大しています。
 世界保健機関(WHO)は2月28日、新型コロナウイルスが世界規模で大流行する危険度を、最高レベルの「非常に高い」に引き上げました。政府専門家会議の見解では、飛沫感染と接触感染が感染経路の主体ではあるものの、例外的に至近距離で相対することで咳やくしゃみがなくても感染するリスクがあることも示されました。
 すでに、県内をはじめ国内各地に新型コロナ肺炎のウイルスが入り込み、潜伏期間中に人から人への感染が広がる新たな段階に入っている可能性があることをふまえた適切な緊急対策と予算措置などを、国の責任で抜本的に強化することが早急に求められています。
 同時に、県都・那覇市においても、感染拡大防止に向け、カギを握る情報提供・共有をはじめ、これまでの対応と対策を検証し、抜本的に改善、強化することが求められています。
 よって、日本共産党那覇市議団は、感染症拡大を抑制し、市民の生命及び健康を保護することと、市民生活及び市民経済に及ぼす影響が最小となるようにするために、第一次分として、以下の事項について緊急に申し入れるものです。  

                   

  1. 正しい手洗いと咳エチケット(咳やくしゃみをする際に、マスクやティッシュ、ハンカチ、袖を使って、口や鼻をおさえる)などの日常生活で気を付けていただきたい感染症対策や健康管理について、市民向けチラシなど多様な媒体で周知を徹底すること
  2. 特に、重症化するリスクが高い、高齢者・基礎疾患を有する方々、介護施設への注意喚起と対策を強めること。
  3. 高齢者、聴覚や視覚障害者、国内外からの観光客など、情報が届きにくい人にも配慮した、インターネットだけでなく、多様な媒体を使い、理解しやすい内容で迅速に情報提供を行うこと
  4. 冷静で適切な対応方法、感染予防対策等の正確でわかりやすい迅速な情報提供・共有のために、那覇市と那覇市保健所のホームページを早急に改善すること
  5. 体調不調や疑いがある自宅待機の方の相談にのる電話相談窓口(コールセンター)の時間延長と、重症化の兆しを見逃さないために、一定の専門的な知識を持った人が病状を聞き、適切にアドバイスできるようにする相談体制を拡充強化すること
  6. 医療・介護施設にマスクなどの感染予防用品が行き渡るよう対策を強化すること
  7. 外来診療では、感染者(疑いを含む)を診察できるように一般患者とは別ルートの診療スペースと人員の確保を支援すること
  8. 那覇市内に指定感染症病床がないことから、入院医療では、感染患者を受け入れるベッドの確保とともに、マスク、ゴーグル、防護服など感染防御のための資機材の迅速な提供。搬送用の車両・人員の調達など、医療提供体制を市立病院や民間医療機関と連携し整えること
  1. 県や国と連携し、新型コロナ肺炎のウイルス検査体制を抜本的に強化し、検査の対象者を大幅に増やすこと
  2. 保健所、市立病院、緊急搬送などで感染者への接触がありうる職員の感染防止について、万全の対策をとること。
  3. 感染が疑われる人、感染した人が差別されず、人権が守られるように対応すること
  4. 観光業をはじめ、感染拡大によって打撃を受けている市内中小企業・小規模企業への影響を、市として把握し、資金繰りが苦しい中小零細企業などに対する緊急のつなぎ融資・助成をはじめとした支援を強化すること
  5. 政府専門家会議にも諮らず、安倍首相が独断で打ち出した突然の小中高、特別支援学校の全国一律の休校要請は、その対応を自治体に丸投げされ、前もっての準備もなく混乱状況にある。ひとり親家庭や低学年の子どもをもつ共働き家庭からは、仕事をどうすればいいのか、看護師が休めば病院運営に支障が出る、保育士、介護士、社会福祉士が休めば現場が混乱するとの悲鳴が上がり、子どもたちの戸惑いも広がり、余計な不安を招いている。学童保育は開所するとしているが、学童保育での予防対策と学童保育を利用していない子どもの居場所づくりなど多くの課題が指摘されている。
     本市の一律休校に際しては、保護者、子どもたち、学校関係者、市民からの要望や今後の状況に応じて、適切な対応と丁寧な対策を迅速に行うこと。開所時間が早まる学童保育への体制支援と、学校給食の食材や牛乳等を提供している関連業者、臨時・非常勤職員への支援を行い、休校に伴う財政負担は、国に財政措置を求めること。
  6. 経済悪化、小中高、特別支援学校の一斉休校などにともない、仕事を休んだ人に休業期間中の収入を保障する、雇用調整助成金については、フリーランスや自営業主などへの適用拡大など必要な手立てを国の責任で整備するよう求めること
  7. 民間医療機関、交通機関、学童保育、保育所、認可こども園、専門学校や事業者などが実施する新型コロナ肺炎対策への財政支援について、国の責任を果たさせること。 
  8. 新型コロナ肺炎対策の補正予算は、今年度の補正予算とともに、新年度の補正予算も編成すること